Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

けんのよんくんし

剣の四君子・日本名婦伝

吉川 英治

Lisez 剣の四君子・日本名婦伝 (けんのよんくんし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 150 635 caractères · 306 écrans

Aozora Bunko

家康は、祐筆に認めさせた自身の書面を、膝においた手に持って、床几に倚っていたが、

「宗矩か――」と、彼のすがたへ眼を与えると、手にしていたその書面を授けてから云った。

「この一書を持って、そちはすぐに陣を脱し、そちの郷里大和の柳生谷へ急げ。仔細はこれにある。……ただ老来、久しゅう相会わぬが、石舟斎にも変りないか、くれぐれ身をいたわるように、家康が申したと、よしなに伝えてくれい」

「えっ……では私は、せっかくの御合戦に、お供はかないませぬか」

「何も問うな。ただ急げばよい」

「……でも、上杉攻めの御陣中から、私のみ退去を命じられ、故郷へ帰って参りましたと、何でおめおめ老父に会って申されましょう。身不つつかのため、御陣中に留めおくこと相成らぬとの御叱責なれば、自決して相はてたほうが老父のよろこびと存じまする」

「はははは、疑うはもっともじゃが、そち一身に関わったことではない。何も申さず立帰って、石舟斎に儂が書面をわたし、そのうえのこととせよ」

宗矩はぜひなく退がって、即日、大和へ急いだ。――が、その途中、江州まで来ると、事態の真相がわかった。

上方の形勢は一変して険悪を極めていたのである。