Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんきだんクラブ

奇談クラブ(全)

野村 胡堂

Lisez 奇談クラブ(全) (しんきだんクラブ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 104 139 caractères · 208 écrans

Aozora Bunko

「エッ」

三十郎は余りの事に自分の耳を疑いました。物語本にある荏柄平太は、今から五百年も前の人で江柄は元其の人から出たが、憚ることがあって、荏柄を江柄と変えたと伝えられて居りますが、その荏柄平太と割ない仲は少し話が変り過ぎて居ります。

「ホ、ホ、吃驚なさいましたか、私はもう八百歳を起して、若狭の国の白比丘尼と、東西の長寿を競って居ります。嘘と思召すならば何んな事でも聞いて御覧遊ばせ、源平の戦い、藤原氏の栄華、皆此の眼で見て参りました。まあ、あのお顔」

全く驚かないわけには行きませんでした。八百幾歳の老婆と聞くと、江柄三十郎はお化けと一緒に居るようで、ゾッと背筋から寒気立ちますが、思い直して見ると、それにしても又、何んと言う美しさでしょう。若狭の白比丘尼も若いと聞きますが、これはサナギから出て来たばかりの蝶のように美しく、枝から取り立ての果物のように清らかです。

「私はその後、天竺や支那や、世界の隅々までも廻って、久し振りで帰って見ると、貴方というものが此の世に生れて居られたのです。小日向台の上から、貴方の成人するのを、どんなに楽しい心持で、待ったことでしょう」