Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんきだんクラブ

奇談クラブ(全)

野村 胡堂

Lisez 奇談クラブ(全) (しんきだんクラブ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 104 139 caractères · 208 écrans

Aozora Bunko

女は二人居た、同時に異った場所に

丸ノ内界隈の職業婦人には寄り付けそうも無い、素晴らしい洋装を、殆んど毎日、取り換え引き替え着て来るようにさえなりました。

その費用のうちの半分、どうかしたら三分の一位は、私の懐中から出ましたが、あとは何処から出たのか、まるで見当が付きません。或は丸茂三郎の懐だったかも知れず、何うかしたら、暮しに困って居るような話は嘘で、香川礼子自身が、思いの外金持だったのかも知れないのです。

私と礼子はよく繋がって録座あたりを歩きました。言わば主人とタイピストで、世間並の考えから言えば、当然憚らなければならないのですが、若くて情熱的な二人は、そんな事をまるで問題にして居なかったのでした。

「香川さん遊びに行こうか」

「え、どうぞ」

仕事を終る前から打ち合せて置いて、二人はビルディングの玄関から円タクを招ぶこともあり、どうかすると、

「何時ものところで」

「…………」

それだけで意味が通じて、銀座の「カフェー・エロス」の別室で落ち合うことなどもありました。それにしても礼子は、何んと言う魅惑的な、素晴らしい恋人だったでしょう。

女は二人居た、同時に異った場所に

不思議な事件は、その頃から私を悩ませ始めました。