Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんきだんクラブ
奇談クラブ(全)
野村 胡堂
Lisez 奇談クラブ(全) (しんきだんクラブ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 104 139 caractères · 208 écrans
運命の岐路
と題する塑像のように、シクシクと泣いて居りましたし、巽九八郎は、私が小切手を突き付けたのも知らずに、「放心」と言った姿でボンヤリ突っ立って居りました。
誰かが火が付くように拍手すると、部屋の中の人間の半分ほどは、それに伴れて、パチパチと手を叩きます、何んと言う不思議な糶市だったでしょう。
運命の岐路
糶り落した妙子を伴れ出すと、案外素直に私の後へ跟いて来ました。汚い素袷、春と言っても、日が暮れかかると却々の寒さですが、何も彼も叩き売られた後で、今の妙子には、これ一枚しか着物と言うものが残って居なかったのでしょう。
その上、芯のはみ出した帯に、長刀になったキルク草履という有様、全く妙子の姿は見る影もありません。少しも早く自動車を探して、人目に触れる痛々しさを救ってやろうと思いましたが、此の辺から高円寺の通りまでは、歩くより外には辿り付く方法が無いのです。
「妙子さん、もう少しの我慢だ、自動車のあるところまで――」
そんな事を言って振り返ると、妙子は僅かにうなずき乍ら、細そりした身体を尚おも狭めて、運命に導かれて行く偶人のように、真にトボトボと私の後を跟いて来るのでした。