Classiques japonais avec furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lisez 新・水滸伝 (しん・すいこでん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 684 899 caractères · 1374 écrans
人を殺すの兵略は、人を生かすの策に及ばぬこと
……もしこのうえ京師の正規軍が大挙して、これへ下ってでも来た日には?」
ところへ、呉用が顔を見せた。
「宋先生」
「お。軍師」
「お驚きになってはいけませんぞ。意外な変となってきた」
「どうしたのですか」
「梁山泊があぶない! 危機に瀕していると、たったいま、神行太保の報らせです」
「えっ。では泊内から裏切りでも」
「いや、東京の蔡大臣が、蒲東の大刀関勝という者を抜擢し、彼に大軍をさずけて差しくだしました。ところが、この関勝は、有名な後漢の名臣関羽の子孫。なかなか勇武奇略があるらしい。北京へ向って来ずに、われらの留守をついて、いきなり梁山泊をとりかこんでしまったというわけなので」
「しまった。それこそ“魏ヲ囲ンデ趙ヲ救ウ”の策……。やられましたな」
「だが、まにあわぬことはない。留守の張順、張横、李俊、童威、童猛、阮ノ三兄弟、そのほかも、必死で防戦中とのこと。ともあれ、さっそく引き揚げましょう」
しかし、これがまた一大難事だ。
城中では、すでに京師からの密令で、このことは知っている。――必然、宋江軍の総退陣を見越して、一挙に、追い打ちをかけんとしている気味合いが歴々と見えていた。