Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lisez 新・水滸伝 (しん・すいこでん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 684 899 caractères · 1374 écrans
晨に唄い女翠蓮を送って、晩霞に魯憲兵も逐電すること
晨に唄い女翠蓮を送って、晩霞に魯憲兵も逐電すること
渭州でも街なかの州橋橋畔に、潘飯店という酒楼がある。まず魯達から先に入った。
「こら。空いてるか、二階の卓は」
「オオこれは提轄(憲兵)さまで。よくいらっしゃいました。さ、どうぞ階上へ」
どこへいっても、魯提轄の職権と風貌とでは恐もてときまっている。帳場のあいそもソラ耳に、彼は史進と李忠のふたりを伴って二階へあがり、そこの一卓を繞って、三人鼎のごとき大腰をおろし合った。
「おい。酒を早く出せよ。それから前菜はいうまでもないが、なんでも、美味い料理をどしどし持ってこい」
卓の賑わう間を、お互いに頬杖などして、四壁を見ると、金箔板の聯(柱懸け)に朱を沈めた文字で、
風ハ滞ル柳陰太平ノ酒旗
酒ハホドク佳人ノムネノ縺レ
杏花アマクシテ志イマダシ
シバラク高歌シテ酔郷ニ入ラム
などとある対句が読まれる。
世事の慷慨、他愛もない談笑、三人はすっかりいい機嫌になりいい仲になった。酒も四角(四合入りの酒瓶)を何度卓へ呼んだことやらわからない。――だが時折、魯提轄の神経を針で突ッつくような興醒めが洩れてきた。さっきから、どこかでシクシクいっている女の啜り泣きである。