Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

Lisez 新・水滸伝 (しん・すいこでん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 684 899 caractères · 1374 écrans

Aozora Bunko

拾い取ってみると、それは大牢の鍵だったのである。「よし! 事すでに成る」と、柴進はよろこんだ。そして燕青、史進をひきつれて、死刑囚ばかりのいる大牢長屋へ馳けこんだ。

「あっ待てッ。通るのは、何者だっ」

「蔡福の弟。蔡慶か」

「いかにも一枝花の蔡慶だが」

「わしは梁山泊の柴進だ」

「げっ、柴進? ……。かねて兄貴から、名はきいていたが」

「ならば、委細のいきさつも聞いていよう。また、これにいる浪子燕青も顔見知りのはず。すぐ大牢を開けて、獄中の盧俊儀と石秀のふたりをわれらに渡してくれい」

「そいつはだめだ。鍵はいつも兄貴が肌身を離したこともねえ」

「いや、鍵はここにある」

「えっ? オオほんとだ。どうしてこれを」

「蔡福はもう梁山泊入りと覚悟をきめ、今頃は家に帰って、家財家族の始末をしているにちがいない。君もすぐ家へ帰り給え。そして、兄と共に身支度を急げ。まもなく、北京全市は炎の海と修羅になるぞ」

いかに柴進が言っても、ことばだけでは、蔡慶には信じられなかったが、しかし、じつにこの時といっていい。夜空にあたって、奇怪な火の粉と、魔の雲に似た黒煙が見えだしていた。

城楼からの出火だった。