Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lisez 新・水滸伝 (しん・すいこでん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 684 899 caractères · 1374 écrans
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「おや? ……。おれは?」
ふと我れに返り、自分の姿を見廻した青面獣楊志は、二日月の影を、凄い空に仰いで、
「そうだった。計られたのだ。計られじ、計られじ、と思いつつ、ついに俺も、不覚な罠に」
慚愧にたえぬもののように、両の手は、髪の根をつかんでいた。潸然として、無念の涙が頬をくだる。
「なんで生きて北京へ帰れよう。さらばとて、都にはなお容れられぬ身、そうだ、断崖から谷へ身を投げ、黄泥岡の鬼となって、世々の旅人に、こんな馬鹿者があったと、語り草になるのが、せめてもの身の始末。それしか、とるべき道はない」
蹌踉と、彼は、鬼影を曳いて歩きだした。
ほか十六名の影は、寂として、まだ地に伏したままである。彼が、いちはやく、気を取りもどし得たのは、あの毒酒を、彼のみは、椀の半分ほどしか飲んでいなかったためだろう。――が、それも今や、死の岩頭に立った身には、何の僥倖と思われるはずもない。
「生れて、三十余年。これで死ぬのか。いったい何しに、生れてきたのか」
死の谷を見おろした刹那、楊志の胸には、過去三十年の自身の絵巻が、いなずまの如く振返られた。