Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

Lisez 新・水滸伝 (しん・すいこでん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 684 899 caractères · 1374 écrans

Aozora Bunko

王婆は一人、二階へあがって、明けがたまでに、死骸の様をとり繕い、誰の眼にも、病死としか、見えないように拵えた。

「さ。……これからだよ大事なやまは」

ここ気懸りなので、西門慶も早朝にやって来た。婆から「うまいこと、行きましたよ」と囁かれて、彼もまずは、ほっとした色だが、近所の外聞、人目の偽瞞、そして役署の検死やら火葬の認証やら、無事、灰にしてしまうまでは、まだまだ、安心とはいいきれない。

「ねえ旦那、役署の隠亡がしらは、何九叔って男ですが、あいつはひどく、死人調べには眼が利く男だと聞いてますが」

「よしよし、役署向きなら、どうにでもなる。九叔のことなら、心配するな」

「お願いしますよ。そこでバレたら、葬式も出せませんからね」

「それよりは近所が恐い。金蓮にも、よっぽどうまくやらせないと」

「抜かりはござんせん。なんなら、ちょっと覗いてごらんなさいましな」

確かめたさも半分、不気味も半分、西門慶は隣の二階へ梯子段から顔だけ出した。もう棺桶も来ていて、仏前仏具の手廻しも、なるほど万端抜かりはない。そして金蓮は、夜どおし泣き疲れたような姿で、祭壇の前にうな垂れていた。