Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

Lisez 新・水滸伝 (しん・すいこでん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 684 899 caractères · 1374 écrans

Aozora Bunko

わざと二人は鎖を追って、下は不気味な深い瀞と見える崖ぷちへ連れて行った。

「……アア、いい気もち!」

武松が用をすましたか否かの一瞬である。一颯の剣光がサッと彼の影をかすめた。と見えたと思うとドブンと瀞の水面に飛沫が上がり、つづいてもう一人は彼の足蹴を食って、

「あっ――」

と、後ろの役人と共仆れによろめいていた。

「見損なうな! 俺を」

一喝、朱をそそいで太く膨らませた武松の喉首から、ぱんと首カセの蝶番いが刎ね、喉輪の邪魔物は、二ツになって飛んでいた。

わっと、逃げる役人を、両の手につかんで、江のうちへ叩き込み、さらにもう一名の刺客へ追ッついて、

「野郎っ」

と、どなった。その声だけで、男は意気地もなくヘナヘナと腰をついて、

「都頭っ、命だけは」

と、地に這って拝んだ。

刺客三人は、蒋門神の弟子だと分った。武松はその男を裸にさせた。そして自身の獄衣を脱ぎ、そっくり着がえて、男の持っていた大きな野太刀まで召上げてから、

「てめえ一人が無事で帰っちゃ、仲間の義理が欠けるだろう。生き死には、水神様に相談してみろ」

と、それも一ト抓みにして、江の急流へ投げ飛ばした。