Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

Lisez 新・水滸伝 (しん・すいこでん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 684 899 caractères · 1374 écrans

Aozora Bunko

「…………」

「まず、この第一矢で、右の泰瓊神の手こぶしを射当ててみせる」

言下にびゅんと鋭い弓唸りが人々の耳を搏った。矢は奇術のように、右門神の拳に立っていた。

「次には――」と、早や二の矢をつがえ、花栄は一ばい声を張上げて、「こんどは、左の敬徳神の兜のまッただ中を射よう。眼の玉をひっくり返すな」

きゅっうと、一線の空気が裂けた。はっと我れに返った人々の眼が、左門神の兜に突ッ立った矢を知ると、思わずわっと嘆声をどよめき揚げた。

しかし花栄の手には、さらに第三の矢が用意されかけていた。そしてつがえた鏃を、寄手の中へ向けて叫んだ。

「その中の赤い戦袍と、白い鎧の奴が、雇われて来た師範だな。覚悟をしろ」

「うへッ」

と、彼らの影はすぐ没してしまい、同時に二百の寄手は、蜘蛛の子になって潰乱してしまった。

こんな大騒動の起因が、自分にあるものと考えては、宋江の性格として、もう晏如とこれを見てはいられない。

その晩、宋江は花栄へ告げた。

「花君、あなたのご懇情は、身に沁みて忘れませんが、しかしこれでお暇を告げるとしたい」

「えっ、どうしてです。劉高ごときに恐れをなしてきたんですか」