Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lisez 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 511 765 caractères · 1011 écrans
「はて? なにか茶道具の類のお話でもござりますかな」
「いやいや。武田家につたわる天下の名宝、御旗楯無の二品をお手に入れたということではござりませぬか」
「あああれでござるか、いや例の好みのくせで、求めたことは求めましたが、さて、なんに使うということもできない品で、とんだ背負物でござる。あはははははは」
と、秀吉は、こともなく笑ってのけたが、家康にはいたい皮肉である。穴山梅雪に命じて、じぶんの手におさめようとした品を、いわば不意に、横からさらわれたような形。
しかし、秀吉はそんな小さな皮肉のために、黄金千枚を積んで買いもとめたわけでもなく、また決して、御旗楯無の所有慾にそそられたものでもない。要は和田呂宋兵衛という野武士の潜勢力を買ったのだ。
清濁あわせ呑む、という筆法で、蜂須賀小六の一族をも、その伝で利用した秀吉が、呂宋兵衛に目をつけたのもとうぜんである。
かれを手なずけておいて、甲駿三遠四ヵ国の大敵、げんに目のまえにいる徳川家康を、絶えずおびやかし、時によれば、背後をつかせ、つねに間諜の役目をさせておこう、――というのが秀吉のどん底にある計画だ。