Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Lisez 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 511 765 caractères · 1011 écrans

Aozora Bunko

三

あれからのち――どこをどう飛んで歩きまわっていたか、あいかわらず、のんきの洒アな顔をして、泣き虫の蛾次郎。南蛮寺の屋根の上から、小手をかざしてひとりごと……

「いいなア、いいなア、さすがに天子さまの都だけあるなあ。オーむこうに見えるのが御所の屋根だな。霞をひいて絵のとおりだ。二条、三条、四条、五条。こうしているあいだにだんだんみえてくる……おッとこんなところで感心していたところでつまらない、はやく一つ腹ごしらえして金閣寺だの祇園だの、ゆっくり一つ見物してこよう」

ふわりと鷲を地へ舞わせて、南蛮寺の朱門へおりた蛾次郎。あッちこッちを見まわしていたが、やがて、天ヶ丘の松林を奥ふかくはいってしまった。

そして、とある松の大木へ、用意の鎖で、鷲の足をしばりつけてから、

「おいおい、クロ公」

と、人間へいうように、いいきかせる。

「おれはな、ちょッと久しぶりだ、きょうはほうぼうあるいてくるから、おれのるすに、どこへもいっちゃいけねえぜ。いいかい、帰りにゃ兎の肉をウンと買ってきてやるからな、たのむぜ、クロ公」

これで安心したらしい。

そこでさて泣き虫蛾次郎、すこし気どって、れいのボロ鞘の刀を差しなおし、松の小道をとって、ふもとの方へ歩きだしながら、みちみち、山椿の葉を一枚もいで唇にくわえ、木の葉笛で調子をとりつつ、へん