Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Lisez 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 511 765 caractères · 1011 écrans

Aozora Bunko

三

三

「まて民部、手荒なことをいたすまい」

もっともうらみ多きはずの伊那丸が、意外にもこういったので、民部も忍剣も、意外な顔をした。

伊那丸はしずかに、階段からおりて、梅雪入道の手をとり、宮の板縁へ迎えあげて、礼儀ただしてこういった。

「いかに梅雪、いまこそ迷夢がさめたであろう、わしのような少年ですら、甲斐源氏を興さんものと、ひたすら心をくだいているのに、いかにとはいえ、二十四将の一人に数えられ、武田家の血統でもある其許が、あかざる慾のためにこのみにくき末路はなにごと。それでも甲州武士かと思えば情けなさに涙がこぼれる。いざ! このうえはいさぎよく自害して、せめて最期を清うし、末代未練の名を残さぬようにいたすがよい」

「ええうるさいッ」梅雪はもの狂わしげに首をふって、――「余に自害せいとぬかすか、バカなことを!」

「なんと、もがこうが、すでに天運のつきたるいま、のがれることはなるまいが」

「なろうとなるまいと、汝らの知ったことか。こりゃ伊那丸、縁からいえば汝の父勝頼の従弟、年からいっても長上にあたるこの梅雪に、刃を向ける気か、それこそ人倫の大罪じゃぞ」

「それゆえにこそこのとおり、礼をただして迎え、自害をすすめ、本分をとげさせんといたすものを、さりとは未練なことば」