Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lisez 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 511 765 caractères · 1011 écrans
遠術日月の争い
一
「おや、あのあんばいでは、裾野の合戦は伊那丸さまの敗亡となったかしら?」
竹童、いまさら気が気でなくなったから、いやがうえにも、クロをいそがせて、裾野の空へきて見ると、人穴から燃えひろがった野火は、止まるところを知らず、方三里にわたって、濛々と煙をたてているので、下界のようすはさらに見えない。
遠術日月の争い
一
七日七夜、燃えにもえた野火の煙は、裾野一円にたちこめて、昼も日食のように暗い。
富士の白妙が銀細工のものなら、とッくに見るかげもなく、くすぶッてしまったところだ。見よ、さしも人穴の殿堂すべて灰燼に帰し、まるで鬼の黒焼、巌々たる岩ばかりがまっ黒にのこっている。
すると、さっきから、その焼け跡を見まわっていた三騎のかげが、廃城の門をまっしぐらに駈けだした。そして濛々たる野火の煙をくぐりながら、金明泉のちかくまできたとき、さきにきた山県蔦之助が、ふいに、ピタッと駒をとめて、
「や? ご両所、しばらく待ってくれ」
と、あとからきた二騎――巽小文治と木隠龍太郎へ、手をふって押しとどめた。
「おお、蔦之助、呂宋兵衛の残党でもおったか」
「いや、よくはわからぬが、あの泉のほとりに、なにやらあやしいやつがいる。