Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lisez 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 511 765 caractères · 1011 écrans
二
「アア、おなかがペコペコだ……」
起きるとすぐに食うしんぱい。
ゆうべスッカリ吐きだして、今朝は胃袋が、カラッポになっているとみえて、食慾ばかりになった目つきで、しきりに、そこらをキョトキョトと見まわしながら、
「なにかないかナ、なにかないかナ……」
泥だらけな着物もハタかず、ふらふらと立ちあがった。
その姿や寝ぼけ面が、おかしいとみえて、すぐそばの神馬小屋で、白と黒と二疋の馬が、ヒーンと鼻で吹きだした。すると頭の上のモチの木でも、鴉がカーッと啼き合わせた。
虫のいどころが悪かった。
「ばかア! てめえのことじゃねえやい」
と、蛾次郎、鴉をどなりつけて、スタスタと向こうへ歩きだした。
すると、あった! あった!
ひとつの御堂の神前に、蛾次郎の見のがしならぬものがあった。
蕎麦まんじゅうのお供物である。
きのうのお祭に、氏子があげた物であろう。三方の上に、うずたかく、大げさにいえば、富士の山ほど積んであった。
犬もあるけば棒にあたる!
これなるかな、これなるかなと、蛾次郎はそこで、よだれをたらして見とれてしまった。
「ちぇッ、ありがたし、かたじけなし」
と泣き虫の蛾次郎、じぶんのおでこをピシャリとたたいて、神さまに感謝したのである。