Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Lisez 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 511 765 caractères · 1011 écrans

Aozora Bunko

「おう、坂部十郎太か。たかが稚児どうような伊那丸と六部の一人や二人が、檻をやぶったとて、なにをさほどにうろたえることがある。それよりか、城の火こそ、はやく消さねばならぬ、矢倉へむかえ!」

「はッ」と十郎太が、立ちかけると――

「家康ッ!」と、ふいに、耳もとをつんざいた声とともに、闇のうちからながれきたった一閃の光。

「無礼ものッ!」

とさけびながら、よろりと、しりえに、身をながした家康の袖を、さッと、白い切ッ先がかすってきた。

「何者だ!」

とその太刀影を見て、ガバと、はねおきるより早く、斬りまぜていった十郎太の陣刀。

「お上、お上」

と近侍のものは、そのすきに、家康を屏風がこいにして、本丸の奥へと引きかえしていった。

「無念ッ――」

長蛇を逸した伊那丸は、なおも、四、五間ほど、追いかけてゆくのを、待てと、坂部十郎太の陣刀が、そのうしろから慕いよった。

と、伊那丸はなんにつまずいたか、ア――と闇をおよいだ。ここぞと、十郎太がふりかぶった太刀に、あわれむごい血煙が、立つかと見えたせつな、魔鳥のごとく飛びかかってきた龍太郎が、やッと、横ざまに戒刀をもって、薙ぎつけた。