Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Lisez 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 511 765 caractères · 1011 écrans

Aozora Bunko

――そのたのもしい少女は、ちょうど三、四十人ほどそこにいた。

咲耶子は夜来の変事をつぶさに話して、いまに、この谷へも、大久保長安の手勢がきて、小太郎山の砦どうよう、ぞんぶんに蹂躪するであろうとつげた。

「――ですからおまえたちはすこしも早く、だいじな品物や、仕事の道具を取りまとめて、めいめいの郷へお帰りなさい。そして後日、ふたたび小太郎山に武田菱の旗印を見たならば、またその時は、緋おどし谷へきておくれ、そして、仲よく刺繍をしたり染物をしておくれ。わたしは、それを知らせにきたのです」

意外!

かなしい別れの言葉であった。

巴旦杏のようにかがやいていた少女たちの頬は、みているまに白くあせて、眉はかなしみに曇った。

袖をもって顔をおおう少女もある。

拭くのも忘れてあきらかに涙の流るるにまかせている顔もある。

だが。

それはやがて、強い敵愾心とかわって、哀別をこばむ決心が、だれの唇からともなく、

「イエ!」

「イエ!」

「イエ!」

とはげしくほとばしり、みなそろってかぶりをふった。

「わたしたちは帰りません!」

ひとりの声が凜という。

「このまま郷へ逃げかえって、父や兄に問われた時、なんと、小太郎山のことを話しましょう」