Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lisez 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 511 765 caractères · 1011 écrans
「悪伴天連呂宋兵衛、待て!」
四
「なにッ」
というと銀の鞭が、びゅッと、忍剣の腕をつよく打ちかえしてきた。
――まさしく和田呂宋兵衛である。逃がしてはならない。忍剣はそう思った。
じつをいうと、かれがここへ馳けつけてきたのは、山県蔦之助の遠矢の敗北がなんとも、ふしんな負けかたであり、解しかねる点が多々あるので、徳川方の勝ちと叫んだ検証の一火や目付役の者に、一苦情持ちこむため、いきおいこんで駈けだしてきたのだ。
もとより、ここで呂宋兵衛と出会おうとは、夢にも予感をもたないのだった。
しかし、竹童が締めたおされたのも目撃したし、その魁異な妖人のすがたは、夢寐にも忘れていない仇敵である。
なには措いても、見のがせないやつ!
「おのれ」
ふりつけてきた、銀の細鞭をかわしながら、なお、忍剣は片手につかんだ黒衣の袖をはなさない。
呂宋兵衛はぜったい絶命――。
「御岳だ!」と、叫んだ。
御岳だぞといったのは、血を見るなかれの神文の誓いをふりまわして、卑怯に相手をためらわそうとしたものである。
「だまれ、妖賊」忍剣は耳もかさない。
引きもどそうとする力、逃げこもうとする力、とうぜん、ベリッと黒衣の袖がほころびた。