Classiques japonais avec furigana
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しんきだんクラブ
奇談クラブ(全)
野村 胡堂
Lisez 奇談クラブ(全) (しんきだんクラブ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 104 139 caractères · 208 écrans
今八郎は、そんな事に構わず、落ち付き払った調子で話を続けました。
「ところで、その方法と言うのは、此処に集った十二人の会員が、銘々一つ宛秘蔵の話を持ち寄って、一と晩に一つずつ、十二日間に亙って競技を続け、最後の十三日目の晩に、十二の話のうちから互選投票で一等二等三等を定めるのです」
巨万の賞金と聞いて、会員達の間には、さすがに不思議な亢奮と、囁きが起りましたが、教養のある人達だけに、間もなくその亢奮も鎮まって、今八郎の話は静かに続きます。
「但し要求するお話は、架空の物語ではいけません。お話なさる事には、一々確かな証拠又は文献のあることで、話が極めて怪奇であるばかりでなく、本当に切れば血の出るような真実性と、聴く者の魂を揺り動かすような、魅力を持って居なければならないのです。お話の順序は、用意の都合もあることでしょうから、なるべく御申出順に従うことにし、差し向き今晩は、江柄三平君が驚天動地の奇談を御用意下すったそうですから、第一話として、それをお願いすることにいたしました。江柄氏を御紹介いたします」
江柄三平は、さし招かれて卓の前に立ち上りました。