Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんきだんクラブ

奇談クラブ(全)

野村 胡堂

Lisez 奇談クラブ(全) (しんきだんクラブ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 104 139 caractères · 208 écrans

Aozora Bunko

新奇談クラブ

プロローグ

屋上庭園から身を投げかけた女

プロローグ

「女は全く謎の塊のようなものですね」

奇談クラブの談話室――例の海の底のような幽幻な光の中で、第四番目の話の選手、望月晃は斯う始めました。

それは、十三人の会員達の度胆を抜く為に用意された、奇抜な序奏と言うよりは、寧ろ話し手の腹の底から沁み出して来たやるせない述懐の言葉らしく響くのでした。

「私は大変な経験をして了いました。生涯忘れることの出来ない不愉快な記憶が、私の良心の上に、重大な軛を置いてしまったのです。勿論、採るべき手段は残るところなく採り、話すべきところへは、全部話して見ましたが、事件があまりに常識を飛び離れて居るので、誰も相手にしてくれません。この上私の経験した事を話して歩くと、気違い扱いを受けるかも知れないような、極めて危険な立場にさえあるのです」

望月晃は、甚だ心外らしく肩をそびやかし乍ら、斯う言った調子で話を進めて行きました。

年の頃は三十二、三、若くて、美男で、雑貨の輸出入業を相当にやって居る人物ですから、固より此の人が気違いなどであるべき筈はありません。

屋上庭園から身を投げかけた女

ある晩十一時頃、私は日本ビルディングの屋上庭園を散歩して居りました。