Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

むすめえんじゅつし

娘煙術師

国枝 史郎

Lisez 娘煙術師 (むすめえんじゅつし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 267 766 caractères · 530 écrans

Aozora Bunko

女煙術師を見送ったが、口の中でつぶやいた。

「油断をしているとこんな目に逢う。一刀流では皆伝の技倆、起倒流では免許の技倆、などと自慢をしていながら、真正面から女の子のためにポンとばかりにぶつかられて、かわすことさえできなかったんだからなあ。油断をしているとこんな目に逢う」

どうやら苦く笑ったらしい、顔の一所へ白々と、一列の歯が現われた。

「そうはいってももっともともいえるさ」また口の中でつぶやいた。「こんな深夜にこんな所で、見物もないのに煙術を使って、迂濶にはいえないあのような和歌を、あんなにも大っぴらに喋舌っていたのだからなあ。見とれていたのは当然だよ。……いったいどういう女なのだろう!」

左側は十五万石榊原式部大輔、そのお方のお屋敷で、海鼠壁が長く延びている。その海鼠壁をぬきんでて、お庭の植え込みが繁ってい、右側は普門院常照寺で、白壁が長く延びている。それの間にはさまれている道を、松平備後守のお屋敷のほうへ、女煙術師は小走っていた。白くひらめくものがある。月夜を海にたとえたならば、その中で魚がひらめくように、女煙術師の足の踵が、チロチロと白くひらめくのであった。