Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みっつのあざ

怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集

小酒井 不木

Lisez 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) de 小酒井 不木 (こざかいふぼく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 196 140 caractères · 396 écrans

Aozora Bunko

そこで私は驚いて合図をしたのですが、あまりに意外だったので、とうとう二人に手真似で話をされた機会を与えてしまったのです。私は盗賊たちのつかう符牒を多少研究したことがありますが、今の二人の手真似はさっぱりわかりません。けれどこれで二人が盗賊仲間だということを知りました」

「ふむ」といったきり警部はうつむいて考え込んだ。「だが、犯罪者仲間だとすると、平岡の泣いたのが少しおかしいね」

「平岡は気が弱いからでしょう」

「そうかしら、僕はこれまで種々な犯罪者に接したが、男で泣くのはめずらしいね」

「でも、手真似で話すところはそうとしか思われません」

「手真似! そうだ。二人に手真似で話されたのは失敗だったが……待ちたまえ、其処に秘密の鍵があるようにも思われる……」こういったかと思うと、霧原警部は急に晴やかな顔をした。が、

「こりゃ君、も一度死体解剖をやり直さなくちゃならん」と叫ぶように言った。

この意外の言葉に、朝井刑事はすっかり面喰って、ただ警部の顔を見つめるばかりであった。

「今の法医学というものは犯罪に直接関係した秘密を解決するばかりで、死体そのものの包む秘密は、とかく見のがしてしまい易いのだ。