Classiques japonais avec furigana
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Lisez 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) de 小酒井 不木 (こざかいふぼく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 196 140 caractères · 396 écrans
真犯人
が、それは容易に解決出来る問題ではなかった。
と、その時、留置場の扉があいて、はいって来たのは丑村刑事であった。二人は立ち上って刑事をむかえて挨拶をかわした。
「今、署長にきいたら、あなたは何か発見されたということですねえ」
「一寸した手がかりです」
「それは何ですか」
「では、署長さんの前でお話し致しましょう。それに今、歌代さん、いや、この女の方から御名前や何かを承りましたから、序にそれもお話し申しましょう」
二人は歌代をあとに残して署長の前に来た。
康雄は言った。
「実は一昨夜殺害の行われた時分、大平家をたずねた者のあることがわかったのです」
「それは誰ですか」と、署長と丑村刑事は殆んど同時にたずねた。
「それが全く思いがけない人なのです。私があの、『好色破邪顕正』を買った、古泉堂の主人です」
これをきくなり、刑事は大きく眼をむいて叫んだ。
「や、それは真実ですか、そりゃ大変だ!」
「何が大変かね」と署長。
「その古泉堂の主人は昨夜家を閉めて、どこかへ行ってしまいました※(感嘆符二つ、1-8-75)」
真犯人
「それでは逃げたんだな?」
と、署長は、畳みこんでたずねた。