Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Lisez 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) de 小酒井 不木 (こざかいふぼく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 196 140 caractères · 396 écrans
意外な発見
その人たちのために、あなたは一刻も早くここを出なければなりません。それには……」
「私には、両親も姉弟も何も御座いません」
「え?」と、康雄は、思わずも、彼女の横顔に眼を注いだ。彼女の置手紙の中にあった、「不幸な女より」の文句が、彼の心に浮んだ。
「有難う御座いました。もう、これ以上は、あなたを苦しめますまい。然し、もう一度だけ、お心をきかせて下さい。あなたは昨夜、私の家を御出になって、中央線の踏切に御あがりになったそうですが、まさか、自殺なさるつもりはありませんでしたでしょう?」
女は強くうなずいた。「そんな気は少しもありませんでした」
「ああそれで安心しました。最後に御願いして置きたいのは、ここを放免されなすっても必ず、行先を私に知らせて頂きたいことです。尤も、この事件が片づくまでは、多分あなたは、不自由な目をなさらねばならぬだろうと思いますから、一刻も早く片附くよう私は及ぶかぎりのことを致します」
意外な発見
翌朝、わが素人探偵戸針康雄は、大平氏宅に赴いて殺人現場の捜査を行った。といっても、別に系統的な捜査を行うのではない。恋人の身を思うあまり、恥を忘れて、いわば無鉄砲に乗りこんで来た訳である。