Classiques japonais avec furigana
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Lisez 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) de 小酒井 不木 (こざかいふぼく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 196 140 caractères · 396 écrans
而も死んだ人の腸がいわば生きかえるのですから、殺人犯人によっては、殺された本人が生き返ると同じようなショックを与えるであろうと私は思いました。
すると果して、私はこの方法によって、可なりに頑固な犯人を、数人白状せしめることが出来ました。
恋の遺恨で、朋輩を殺した電気会社の職工は、死体が解剖される間は、にやにや笑って見て居ましたが、やがて私が腸を取り出して、例の装置に結びつけますと、急にその笑いを失い、眼を大きく開いて、蛇のような臓器を見つめましたが、暫く過ぎて、腸がぴくりぴくりと動きかけると彼は額の上に汗の玉をならべ始めました。と、その時腸管が、急にくるりと液の中で一回転したのです。
「ウフッ、ウフッ」
笑いとも恐怖とも、何とも判断のつきかねる声を発したかと思うと、見る見るうちに彼は顔色を土のようにして、その場に蹲ってしまいました。それから彼は、長い間言葉を発することが出来ませんでしたが、言葉を発するや否や、その罪状を逐一白状してしまいました。
あるときは又、次のような異常な場面もありました。
それは、ある金持の老婆の家に強盗にはいって、老婆を惨殺した、四十五六の、眼の凹んだ顴骨の著しく出張った男でしたが、解剖の行われる間、彼はマスクのような顔をして、呼吸一つさえ変えずに、柱のように突立って居りました。