Classiques japonais avec furigana
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Lisez 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) de 小酒井 不木 (こざかいふぼく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 196 140 caractères · 396 écrans
ただ然しツノダが何を意味するかはわからなかったよ。それで平岡にたずねたのだが、ツノダの言葉をきくと平岡はすっかり平静を失ったので、平岡の本名どころか、もっと重い秘密に関係したことだと考え、あの時機を選んだ、最後の一言を言い渡したのだよ……」
「いや実に、あなたが、『妹の唖だよ』といわれたときには、僕自身が驚いてしまいました。まして平岡には強くひびいたにちがいありません」
「だが、何といってもこの事件での最も大切な証拠は、便所の捜索の結果得られたよ。ツノダと書いた紙片が出なければ、この事件は迷宮に入ったかもしれぬ。西洋の都市では糞壺の捜索などということは通常行い得ないが、この点は日本が遅れて居るだけ、却って、犯罪探偵の際には好都合だ。先年川原井某が薬屋の手代を殺したときも、便所の中のビール壜が有力な証拠となってね。して見ると臭い所も馬鹿にはならぬ。『くさい物に蓋をしろ』などという諺は或いは撤廃した方がいいかもしれぬ。ははははは」