Classiques japonais avec furigana
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みっつのあざ
怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集
小酒井 不木
Lisez 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) de 小酒井 不木 (こざかいふぼく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 196 140 caractères · 396 écrans
――一たい、どうしたというのですか。
――御わかりにならぬのも無理はありません。では、どうか一通り、わけを御ききになって下さいませ。実は、私の家には恐ろしい病気の血統があるので御座います。一口に申しますと、身体のどこかに傷を受けて血が出ますと、普通の人ならば、間もなく血はとまりますのに、私の一家のものは、その血がいつまでもとまらずに、身体の中にあるだけ出てしまって死んで行くという奇病をもって居るので御座います。私の知っております限りでは、祖父も父も叔父も皆同じ病で死にました。又、私の二人の兄も、二十歳前後に、同じ病で死にました。祖父の代から、私の家には男ばかりが生れまして、私には、父方の叔母もなければ、又、姉も妹もありませんでした。二人の兄が死んで、(もうその頃には父もすでに亡き人でしたが)私が一人娘として残ったとき、母は何とかして、私を、その恐ろしい病からのがれしめたいとひそかに切支丹に帰依して、神様にお祈りをしたので御座います。
私が一人ぼっちになったのは、私の十三の時でした。母は、神様に向って、どうぞ、私が、世の常の女でないようにと祈りました。