Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lisez 新・水滸伝 (しん・すいこでん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 684 899 caractères · 1374 écrans
しかし、妻のことなどは、話もしないし、相手も訊こうとはしない。
二人は、夕明りのころ、閲武坊の酒屋を出て、ぶらぶら街を歩いた。――すると誰やら後ろのほうから、妙な売り声で、呼ばわるともなく、呟くともなく、ぼそぼそ言いながら、くッついてくる男があった。
「――ああ狭い狭い、世間は狭い。この都に人間は多いが、眼のある人間は一匹もおらんじゃないか。……こんなすばらしい銘刀を見てくれる者もないとは情けなや」
先に行く智深と林冲は、ちょっと、耳うるさげに振り向いたが、すぐ話に夢中な様子だった。
するとまた、後ろで。
「大道商人の刀売りとは、わけが違う。仔細あってぜひなく手放す物。買い逃がしたら二度とかかる宝刀には、生涯出会うことはあるまいに」
――そのとき、先の二人は、いつもの四つ角で袂をわかっていた。「……また会おう。近いうちに」といって去る魯智深の後ろ姿を見送って、林冲はふと呟きをもらしていた。
「いいもんだなあ。真の友達というものは」
そしてふとまた、歩きかけると、藍木綿の浪人服に、角頭巾をかぶった四十がらみの男が、手に見事な宝刀を捧げ、それに“売り物”とわかる草標示を提げ、つと、林冲のそばへきて。