Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lisez 新・水滸伝 (しん・すいこでん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 684 899 caractères · 1374 écrans
風もないのに、瑠璃灯の灯はボッと墨を吹いて、いつまでその灯はゆらゆら蘇生えりの冴えに戻ろうともしない。惨々幽々、なにか霊壇を吹き旋る形なきものが鬼哭してでもいるようだ……
「あっ! 兄さんっ」
武松は確かに何かを見た。
総身の毛を逆立ッて、思わずその人影へ抱きつこうとしたのである。が途端に、彼は膝へ水を浴びていた。花瓶の花が彼の手に仆れたのだった。
――同時に、瑠璃灯の明りは何気なく元の光に返っている。彼はびッしょりと汗をかいていた。夢だったのか、と思い直した。
「だが、夢にしても?」
彼の姿は腕拱みのままだった。その腕拱みにいつか厨の方から朝の明るみが映している。彼はむッくり起って水瓶のそばで顔を洗い出した。
とん、とん、とん……とその襟元へ二階から女の足音がすぐ降りて来た。如才なく彼のそばへ手拭きやら嗽い碗など取り揃えて、
「お疲れでしょう、二郎さん。だけどゆうべは、兄さんもきっとよろこんでいたに違いありませんわ」
「お。姉さんか。ところで姉さん。ほんとのとこ、兄貴は何で死んだんですか」
「あら、また同じことを仰っしゃってるわ。きのうも、よくお話ししたじゃありませんか」