Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

Lisez 新・水滸伝 (しん・すいこでん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 684 899 caractères · 1374 écrans

Aozora Bunko

「泥棒っ。盗っ人っ」

張乙はあきらめきれず、逃げる李逵を執念ぶかく追っかけた。李逵はけらけら嘲笑いながら逃げては振り返ってみていたが、そのうちに、誰かにどんとぶつかった。

「こらっ、李逵じゃないか」

「あ、いけねえ。また会ッちまった、院長さんでしたか」

「なぜ人の物を盗む」

「ごめんなさい。じつは今日ばかりは、勝ったことにして、そしてさっきの宋公明さんに、ひとつ大きな顔で、おごってやるといってみたかったんで」

後ろで、宋江は笑い出した。

「かねが欲しいなら、私が上げるものを」

「いや、かねはここへ持っている」

「それはそれ、そこに追っかけて来た人のかねでしょう。返しておやり」

「ケチな野郎だ」と李逵は張乙の手へくれてやるようにそれを返す。宋江は、張乙にいった。

「だれか怪我した者はいないのか」

「ないどころか、賭場中のやつが、荒れ熊の爪に引ッ掻き廻されたようなもんで、目も当てられたありさまじゃありません。茶汲み婆まで、肘を折られてしまいましたよ」

「それはすまんな。じゃあこれを薬代にでもして慰めてやって下さい」

宋江はべつに銀子を与えて、李逵の代りにあやまった。

戴宗はつくづくと見ていたが、こんどは何も忠告しなかった。