Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

Lisez 新・水滸伝 (しん・すいこでん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 684 899 caractères · 1374 écrans

Aozora Bunko

――かくて、楊雄が家に帰らない夜といえば、線香の火と、この小婢の手びきで、頭巾を眉深にかぶった色坊主が、不敵にも、ほとんど一晩おきに、人妻の秘室へ忍び通うという不義の甘味を偸んでいた。

友情一片の真言も、紅涙一怨の閨語には勝らずして仇なる事

世間、どこかには、眼があるものだ。

まして石秀はかねがね、臭いと見ていたことなので、ここ一と月もたつと、

「……ははん。やってやがるな」

と、感づいていた。

頃は十一月初め。朝々はもう真っ白な霜なのに、夜明けまぢかというとよく、わざわざ袋路次の奥へ入って来て、ぽかぽか、木魚を叩きぬく頭陀がある。今朝も今朝とて、まだうす暗い外で、

……普度衆生

救苦救難

諸仏菩薩

「……また、やってやがる。ちッ、気になって、これで目が覚めるともう寝られやしねえ」

肉屋の裏木戸から、路次を覗いて、一喝くれてやろうと思っていると、なんと、奥の楊雄の家の裏門から、ひらっと、べつな頭巾姿の大男が出て来るなり、頭陀と一しょに、すうっと、表通りへ消えて行った。

「ああ、やっぱり、あいつだ。……お気のどくだなあ。奥の兄貴は」

彼には、もう見て見ぬ振りは出来なかった。