Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

Lisez 新・水滸伝 (しん・すいこでん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 684 899 caractères · 1374 écrans

Aozora Bunko

友情一片の真言も、紅涙一怨の閨語には勝らずして仇なる事

第一気がクサクサして店の客へお愛相も見せていられない。ぶらっとその日、州橋の街通りを行きつ戻りつ、なんとか楊雄を役署から呼び出す法はないものかと考えていた。

「おいっ石秀。どうしたんだい。浮かぬ顔して」

「あ、兄貴か。いや今、思いきって、役署の誰かに頼んでと……考えていたとこなんで」

「おれにかい。おれに会いに?」

「へえ、折入ってね」

「いつだって、家で会える仲じゃあねえか。なんだって、わざわざ外で」

「兄貴。ここじゃ何ともおはなしが出来ません。ちょっと、一杯つきあっておくんなさい」

「君に奢らせる手はないよ。ここらは縄張り内だ。おお、そこへ登楼ろう」

橋畔に見える一亭。顔ききの楊雄である。先に入る。楼中の者、下へもおかない。

「料理も酒もそれだけでいい。呼ばないうちは、誰も来るなよ」

そこで楊雄は、あらたまって訊ねた。

「石秀。義の杯は、伊達に交わしたわけじゃあない。君の憂いは俺の憂いだ。さ、何でも打明けてくれ」

「いや兄貴。自分のことじゃあないんだ。じつは兄貴の女房――義姉さんのことにつきましてね」

「なに。巧雲のことで?」

「へ。……言い難いなあしかし……。だが、いわずにもいられまい。