Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

Lisez 新・水滸伝 (しん・すいこでん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 684 899 caractères · 1374 écrans

Aozora Bunko

彼女は死を忘れて恍惚とした。林冲に翻弄されるのが甘美でさえあった。気づいたときは、手にさいごの一剣もなく、林冲の猿臂にかかって、鞍の上から毟りとられていた。宙を飛ぶ巨大な男の腕のなかに、彼女はあきらめの目をつぶっていた。窒息の境が甘い夢のようだった。

「副統、生け捕ってまいりました」

投げ出された所は、すでに村口の梁山泊軍の幕舎だった。宋江は無事一ト足先に着いていたし、ほかの幕僚なかまも、続々、たどりついて来つつある最中らしい。

「林冲。まったく貴公のおかげだ。これでいささかは梁山泊の面々へも申しわけが立つ」

しかし宋江は、終夜、浮かない容子だった。明け方までは寝もしていない。――三々伍々、逃げおくれた部下の着くのを、いちいち迎えて人員のまだ不足なのに心を傷めていたのである。

おびただしい損害だった。翌日は帳に入ったが、なお輾転と自責にもだえた。そしてやがて、おもい瞼をして帳を出ると、

「女はここにおけぬ。組の頭四人、兵三十人で、一丈青の身を馬の背にくくし付け、即刻、梁山泊の内へ、送りとどけて来い」

と、命じた。

また、欒廷玉のために、重傷を負ってうめいている欧鵬の身を案じて、それも同時に、山寨へ送らせるようにした。