Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Lisez 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 511 765 caractères · 1011 écrans

Aozora Bunko

ワーッという声のなだれ、かかれ、かかれと、ののしる叫び。すさまじい山つなみは、よせつかえしつ、満山を血しぶきに染める。

一介の若僧にすぎない忍剣のこの手なみに、さすがの黒具足組も胆をひやした。――知る人は知る。忍剣はもと、今川義元の幕下で、海道一のもののふといわれた、加賀見能登守その人の遺子であるのだ。かれの天性の怪力は、父能登守のそれ以上で、幼少から、快川和尚に胆力をつちかわれ、さらに天稟の武勇と血と涙とを、若い五体にみなぎらせている熱血児である。

あの眼のたかい快川和尚が、一山のなかからえりすぐって、武田伊那丸と御旗楯無の宝物を托したのは、よほどの人物と見ぬいたればこそであろう。

新羅三郎以来二十六世をへて、四隣に武威をかがやかした武田の領土は、いまや、織田と徳川の軍馬に蹂躪されて、焦土となってしまった。しかも、その武田の血をうけたものは、世の中にこの伊那丸ひとりきりとなったのだ。焦土のあとに、たった一粒のこった胚子である。

この一粒の胚子に、ふたたび甲斐源氏の花が咲くか咲かないか、忍剣の責任は大きい。また、伊那丸の宿命もよういではない。

世は戦国である。