Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lisez 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 511 765 caractères · 1011 écrans
笛ふく咲耶子
一
八幡船の親船がかえってきたのだ。もうすぐそこ――島から数町の波間のちかくへ。
「いよいよ最期となった。クロ! わしの運命はおまえのつばさに乗せてまかすぞよ」
坐して死をまつも愚と、伊那丸は鷲の背中へ、抱きつくように身をのせた。
思うさま、人の血をすすったクロは、両の翼でバサと大地をうったかと思うと、伊那丸の身を軽々とのせたまま、天空高く、舞いあがった。
笛ふく咲耶子
一
「あれ、あれ、ありゃあなんだ?」
「おお、島からとび立ったあやしい魔鳥」
「鷲だッ。くろい大鷲だ」
白浪をかんで、満々と帆を張ってきた八幡船の上では多くの手下どもが、あけぼのの空をあおいで、潮なりのようにおどろき叫んでいた。
さわぎを耳にして、船部屋からあらわれた龍巻九郎右衛門は、ギラギラ射かえす朝陽に小手をかざして、しばらく虚空に旋回している大鷲の影をみつめていたが、
「ややッ」にわかに色をかえて、すぐ、
「あの鷲を射おとせッ、はやくはやく。遠のかねえうちだ」
とあらあらしく叱咤した。おう! 手下どもは武器倉へ渦をまいて、弓鉄砲を取るよりはやく、宙を目がけて火ぶたを切り、矢つぎばやに、征矢の嵐をはなしたが、鷲はゆうゆうと、遠く近くとびまわって、あたかも矢弾の弱さをあざけっているようだ。