Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lisez 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 511 765 caractères · 1011 écrans
この世の見おさめに、泣くとも笑うとも、ぞんぶんに狂って見るがいい」
と、にくにくしい毒口をたたいた。
「さて大人気ない武者どもよ――」
伊那丸は声もすずしくあざわらって、
「わしひとりの命をとるのに、なんとぎょうぎょうしいことであろう。冥土におわす祖父信玄やその他の武将たちによい土産話、甲州侍のなかにも、こんな卑劣者があったと笑うてやろう!」
「えい、口がしこいやつめ、民蔵、早々この童の息のねをとめてしまえ!」
梅雪は、号令した。
声におうじて、
「はッ」と、武者ぶるいして立ちあがった民部は、伊那丸のうしろへまわって、ピタリと体をきめ、見る目もさむき業刀をスラリと腰からひきぬいた。
「お覚悟なさい! 太刀取りの民蔵が君命によってみ首はもうしうけた」
「…………」
覚悟――それは伊那丸にとっていまさらのことではない。かれは一糸とりみだすさまもなく、観念の眼をふさいでいる。
正面の梅雪入道をはじめ、四天王以下の大衆も、かたずをのんで、民部の太刀と伊那丸のようすとを見くらべていた。
湖水の波も心あるか、冷たい風を吹きおこして、松の梢にかなしむかと思われ、陽も雲のうちにかくされて、天地は一瞬、ひそとした。