Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lisez 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 511 765 caractères · 1011 écrans
吹針の蚕婆
一
「それなら大安心、これでわたくしの荷も降りたというわけ。ではみなさんごめんなさいまし、さようなら」
いま、ツイそこでおじぎをしていたかと思うまに、もう燕作のすがたは、松の樹がくれに小さくなって、琵琶湖のほうへスタコラと歩いていた。
「おそろしい足早な男もあるもの――」
福島正則は、家来の可児才蔵と顔をあわせて、しばし、あきれたように竹ノ子笠を見送っていた。
吹針の蚕婆
一
うえの羽織は、紺地錦へはなやかな桐散し、太刀は黄金づくり、草色の革たびをはき、茶筌髷はむらさきの糸でむすぶ。すべてはでずきな秀吉が、いま、その姿を、本丸の一室にあらわした。
そこでかれは、腰へ手をまわし、少し背なかを丸くして、しきりに壁をにらんでいる。達磨大師のごとく、いつまでもあきないようすで、一心に壁とむかいあっている。
飯をかむまもせわしがっているほどの秀吉が、にらみつめている以上、壁もただの壁ではない。縦六尺あまり横三間余のいちめんにわたって、日本全土、群雄割拠のありさまを、青、赤、白、黄などで、一目瞭然にしめした大地図の壁絵。――さきごろ、絵所の工匠を総がかりで写させたものだ。