Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lisez 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 511 765 caractères · 1011 écrans
「ちくしょッ――」
バラリと網をなげた者がある。
鉛の重味にしばられて、とうとう鯔はそのなかにくるまってしまったが、同時に頭の上で、
「わッはッはははは、あはははは。やい、野郎ども、いいかげんにしねえか」
と、ふたりして、笑う声がする。
ひょいと仰向いてみると、船楼の櫓に腰かけている頭領の龍巻と、いま下にいた呂宋兵衛。
どッちも卓へ頬杖をつきながら、下のありさまを見物して、仲よく酒を飲んでいる。
「じょうだんじゃねえ。お頭領、こいつア、いったいどうしたわけなんで……」
手下どもは、わいわいそこへ寄ってきて、ただふしんにたえぬという面もち。
「しんぱいするな、こりゃ和田呂宋兵衛といって、おれが長崎にゴロついていた時代の兄弟分だ」
「へえ? ……」
「見ろ」
と、龍巻は、じぶんの二の腕と、呂宋兵衛の二の腕をまくりあげて、手下どもに見くらべさせながら、
「このとおり、ふたりとも蜘蛛の文身を彫りあって、おれは海で一旗あげるし、呂宋兵衛は山に立てこもって、おたがいに天下をねらおうとちかって別れた仲なのだ」
「なるほど、そういう兄弟分があるということは、いつかお頭領の話にも聞いていました」