Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Lisez 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 511 765 caractères · 1011 écrans

Aozora Bunko

いや、たとえ、駒とともに血を吐くまでも、それまでに三方ヶ原へかけつけねばならぬ」

「おお、もとよりそれぐらいなこと、この場合になんのことでもござりませぬ。して、その時には?」

「なんの手段をめぐらす時間もない。ただ、群集のなかにまぎれて、せつなに、矢来のなかへ斬りこみ、若君をはじめふたりの盟友を救いだすばかり」

「心得ました」

小文治は腕をうならせて、朱柄の槍をからぶりさせた。

さっさつたる朝の風が、駒のたてがみをこころよく吹き散らす。

ひゅうッ、と一鞭あてると、三騎はそのまま馬首をそろえて、東へひがしへ疾走していった。

やがて、やがて、渺茫とした裾野と、はてなき碧落が目の前にめぐりまわってくる。

海のようだ。五月の裾野、五月の大気。

目のとどくかぎり、十何里、ただ一色の青ずすきが、うねうねと風のままに波に似たる、波を立てている。

そのなかを、いとも小さな三騎がはしっていく。

風にかくれ、風に見え、風をついて疾走する。

ああまだ東海道へはへだてがある。なお浜松や三方ヶ原には間がある。覚悟のとおり、あの三騎は、とちゅうで血を吐いてしまいはせぬだろうか。

かかる場合は、千里をとぶ逸足ももどかしく、一日の陽脚もまたたくひまである。