Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lisez 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 511 765 caractères · 1011 écrans
「神妙!」
と、うしろから縄をまわした者がある。
裏口からはいってきた卜斎であった。と――一しょに、ドカドカと槍や刀や鉄棒をひっさげた武士のすがたが、庭へあふれこんできた。
「あ、待ってください」
「未練をいうなッ」
「いえ……」
と、咲耶子は、ねじとられた手をしずかにもぎはなした。そして指の先の琴爪を抜いて、高蒔絵のしてある爪筥のなかへ、一つひとつていねいに入れた。
三
そこは甲府の城下にでるとちゅうであった。
虹の松原の針葉樹のこまかい日蔭を、白い街道がひと筋にとおっている。
緋おどし谷の山間から、かわるがわるに手車を組んで竹童を助けだしてきた少女たちは、その松原の横へはいって、しきりと彼を看護していた。
気絶したがために、さいわいとあの毒水を呑まなかった竹童は、多少の傷や痛みはあったが、やがて真心の介抱をうけて、かなりしっかりと気がついた。
「咲耶子さんは?」
息を吹ッかえすと、第一にでた問い。
「小太郎山は? 咲耶子さんは?」
「咲耶子さんは……」
おうむ返しにそういって、少女たちは急にかなしい表情にくもった。
「エ、どうしたい?」
「竹童さんを助けたいために、わざと緋おどし谷にのこって、自分から敵の生捕りになりましたの」