Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Lisez 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 511 765 caractères · 1011 écrans

Aozora Bunko

四

「む、いかにも見えるな……」

と、五重塔のいただきをながめた武士は、ガッキリ、その矢をつがえはじめた。

「や、あれを射ておしまいなさいますか」

あたりの者は興にそそられて、どよみ立った。

「この霊地へきて、奇怪なまねをするにっくいやつ、ことによったら、南蛮寺にいるキリシタンのともがらかもしれぬ。いずれにせよ、ぶッぱなして諸人への見せしめとしてくれる」

弓の持ちかた、矢番も、なにさまおぼえのあるらしい態度だ。それもそのはず、この武士こそ、坂本の町に弓術の道場をひらいて、都にまで名のきこえている代々木流の遠矢の達人、山県蔦之助という者であるが、町の人は名をよばずに、今為朝とあだなしていた。

「あの矢先に立ってはたまるまい……」

人々がかたずをのんでみつめるまに、矢筈を弦にかけた蔦之助は、陽にきらめく鏃を、虚空にむけて、ギリギリと満月にしぼりだした。

塔のいただきにいる者のすがたは、下界のさわぎを、どこふく風かというようすで、すましこんでいるらしい。

四

「日吉の森へいってごらんなさい。今為朝が、五重塔の上にでた老人の魔物を射にゆきましたぜ」

坂本の町の葭簀茶屋でも、こんなうわさがぱッとたった。