Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十)金色の処女
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 137 868 caractères · 278 écrans
奥宮鏡太郎のお長屋へ通されると、銭形平次はいきなりこんな事を言うのです。
「何、二千両の行方? どこだ」
「お屋敷から持出された様子はございません。もういちど御金蔵のあたりをお調べ下さい」
「さようか」
奥宮鏡太郎、これも謹慎中の下役二人をつれて、あたふたと金蔵に駆け付けました。バラバラと一と村雨が来ましたが、もうそんな事などは考えてもいません。
「どこだ、平次」
「土に縁があって、石に縁があって、水に縁のあるところでございます」
「それだけでは解るまい」
「いえ、これで確かに判るはずでございます」
平次は不安がる役人を促して、金蔵の四方をグルリと廻りました。土に縁があり、石に縁があるというと、土台石の下などは最も恰好ですが、それでは水に縁がありません。
金蔵の南の方に用水井戸がありますが、井桁が栗材で、これは石に縁がなく、雨樋は水に縁があっても、銅ですから金に縁を生じます。
「どこだ、平次」
せき立てられて、平次はしばらく途方に暮れましたが、雨脚は次第に繁くなって、平次も三人の役人もぐっしょり濡れてしまいました。
「あッ、これだッ」
銅の雨樋から落ちた水が、御影で畳んだ見事な暗渠の中にチョロチョロと落ちて行くのを見て、平次は思わず歓声を挙げたのです。