Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

けんのよんくんし

剣の四君子・日本名婦伝

吉川 英治

Lisez 剣の四君子・日本名婦伝 (けんのよんくんし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 150 635 caractères · 306 écrans

Aozora Bunko

「……宗矩、何しに来た」

やがて老父が四年ぶりの子に対して、初めて云ったことばは、その一語だった。

「はっ。……申しおくれました。実は、大御所家康公の御一書を携えて、小山の陣中から馳せ参りました」

「では、飛脚役か」

「何かは存じませぬが、ただ急いで、柳生へ帰れとのおことばに依って」

「さてさて、そちも日頃、物の役に立たぬ者と、お眼鑑に見られておるものとみえる。――今は一兵たりと、おろそかにならぬ場合。ただならぬ急な風雲の際。――可惜、物の役に立つほどな男なら、御幕下より除いて、お飛脚などはお命じあるまいに」

「……面目次第もございませぬ。が、何はともあれ、この御書面を」

懐中のそれを取出して、老父の前へ捧げたが、石舟斎はなお手も伸べず苦々しげに云いかさねた。

「――と云うても、御奉公に出て以来、まだ四年、御用に立つ間もないは是非もないが、この父に対して、日頃の無沙汰の詫びなどは何事か。奉公はどんなものかさえ弁えおらぬか。……すでに、そちを御奉公にさし上げたその日から、石舟斎は、わしに宗矩という子があるとは思うておらぬ。ただわしが養育して世に出した一箇の者が、世にあって、いささかの奉公などしておるかどうか……それを案じる日はあったが」