Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

けんきょうじゅなん

剣侠受難

国枝 史郎

Lisez 剣侠受難 (けんきょうじゅなん) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 195 479 caractères · 394 écrans

Aozora Bunko

「その素早い人間とは、杉窪の銅兵衛でございましょうな?」

「そうだよそうだよ銅兵衛だよ。きゃつも一個の人傑だが、その上に立っている人間が、すばらしくえらい人物だな」

「ははあ何者でございますか?」

「葵のご紋だ、葵のご紋だ」

その時であった、陣幕の外から、「天草殿へ申し上げます」こういう声が聞こえてきた。

「はいはい何用でござんすかえ?」天草時行気軽に答える。

「文三と申す若者、密々に言上致したいと、里を抜け出して参りましてござるが」

「ほほう、さようで。それは結構。文三さんとやら、さあおはいり」

声に応じて陣幕をかかげ、恐る恐る姿をあらわしたのは、さっき盆地を駈けあがり、天草の部下にとらえられた男、楠右衛門の子の文三であった。

「ようおいで、今晩は。築土よ築土よ、円座をおやり。さあさあ文三さんお坐りなすって。……さア何用で参れらたな? などと正面から切り出すと、ちといいにくうござろうな。開戦間際に味方を出し抜き、こっそり敵陣へ来られたからには、内応と見当をつけるが当然。よろしゅうござる。内応なされ。いずれござろうな、交換条件が。金かな、それとも女かな? 二つの外にはござるまい。