Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんきだんクラブ
奇談クラブ(全)
野村 胡堂
Lisez 奇談クラブ(全) (しんきだんクラブ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 104 139 caractères · 208 écrans
兎に角、作人のお前さんに聴かなければ、何う仕ようもないが、お前さんの行方がどうしても解らない――」
「…………」
「そのうちに相手は、顔役、遊び人は申すまでもなく、御用聞きや岡っ引きまで使って、権柄ずく、金ずくで攻め立てる。私も悉く持て余して、確とした事は、いずれ作人の松本鯛六さんと相談の上で決めることにして、兎に角、人形だけを渡して置きました」
「エッ」
鯛六の顔色が卒然として変りました。唇も手もワナワナと顫えて、座にも堪えない有様、長次はそれを見て見ぬ振りで、
「その代り、相手も金に糸目はつけない、即座に渡したのが五百両――」
長次は後ろへ手を延ばして、用箪笥の抽斗から取り出したのは、二十五両包みの切餅が二十、累高く畳の上に重ねて、鯛六の方へ押しやります。この頃の五百両と言えば、今の金にして二、三万円にも当る大金、これだけ出せば――と言う腹が、長次の素振りにもほの見えます。
「先ず取り敢えず、これだけ納めて下さい。後は又後で、話の仕よう一つで何んとかなりましょう」
「…………」
「言う迄もない事だが、あの人形は出来が良いと言ったところで、大抵世間相場と言うものがあります。