Classiques japonais avec furigana
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しんきだんクラブ
奇談クラブ(全)
野村 胡堂
Lisez 奇談クラブ(全) (しんきだんクラブ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 104 139 caractères · 208 écrans
屋敷の外は庭男、下男、出入の鳶の者、植木屋などが、水も漏らさずと警戒して居りますから、苟も人間の形をしたものならば、見とがめられずに出入するということは、思いもよりません。
三晩の修法も何んの験もなく、隆順は少し照れ臭く引き下ってしまいました。それに代って呼び込まれたのは、俗に祈りの道六と言う、その頃高名な修験者、
「如何なる悪魔化性の者と雖ども、私の祷りに退散しないという事は無い」
という見識、されば一室に護摩壇を築き、秘仏を勧進して、三日三夜の間、揉みに揉んで熱祷を捧げましたが、それとても、何んの験もありません。
相生総左衛門、思案に余った揚句、最後に眼をつけたのは、神田三河町に、佐分利流の槍の道場を開いて居る、高蔵人という浪人者でした。
最早五十幾歳という年配ですが、槍を取っては、当時府内に並ぶ者なしと言われた名人、何う言うものか仕官を嫌って、心長閑に諸家の子弟を教え乍ら、町道場の一人暮しをして居たのです。
或る日稽古の暇を見はからって訪ね、初対面乍ら、恥を打ち明けて懇々と頼み込むと、二つ返事で引き受けてくれるかと思うと大違い、
「それは困った、拙者佐分利流の槍は指南するが、まだ妖怪変化に逢った覚えは無い。