Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
むすめえんじゅつし
娘煙術師
国枝 史郎
Lisez 娘煙術師 (むすめえんじゅつし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 267 766 caractères · 530 écrans
「一刻で頑固で人と容れないで、思う通りをやってのける、俺の性質や暮らし方が、娘の出世に支障わったら、済まないことになるのだがなあ」
これに思いが至ったからであった。
「お菊は今年十九のはずだ。そろそろ婿を取ってやらなければならない。嫁に貰い手があるようなら、こだわらずに嫁にくれてやって俺の家は一代で潰してもよい。同業からヤクザの婿を貰って、なまじお狂言師に仕立てるよりも、嫁にやったほうが無難らしい」
嘉門の女房は数年の前に死んで、今は嘉門は鰥夫であった。子供はお菊一人しかない。で、嘉門はお菊に対しては、父としての世話をやくと一緒に、また母としてのいろいろの世話をも、やいてやらなければならなかった。しかるに嘉門の心の中では、限りなくお菊を可愛がってはいたが、自らの性質が禍いして、ずっとこれまではお菊に対して不注意の態度をとっていた。
それが済まなく思われたのである。
しかし嘉門は腕をといて、そうして元気よく笑い声を立ててまた蹣跚とさまよい出した。
「縹緻もよければ姿もよくて、しかも優しいあのお菊だ、自分の娘ながらりっぱなものだ、嫁に貰い手などザクザクあろう。