Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
むすめえんじゅつし
娘煙術師
国枝 史郎
Lisez 娘煙術師 (むすめえんじゅつし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 267 766 caractères · 530 écrans
少しく片寄った頭上の辺には、紫の色の花房を垂れた、藤棚が小高くかかっているし、裾をグルリとめぐるようにしては、馬酔木の叢や百日紅の老木や、灌木などの飛び散っている、この裏庭の奥まった所に、一つの捨て石を横手に据えて、たたずみながら愉快そうに、元気よく軽く喋舌っているのは、紋也の妹の鈴江であった。
と、その気持ちのよい話ぶりのために、今し方左内と別れたことによって、捨て石の一つへつっ伏して、肩をふるわして泣きじゃくっていたお菊も、一時悲しみを忘れたと見えて、泣き顔を袖で蔽うようにしながら、いわれるままに立ち上がって、鈴江と肩を並べるようにした。
二人の娘の並んだ姿は、好もしい一幅の絵のようであった。身長が高くて、肉付きがよくて、肩などまるまると肥えてはいるが、女の美しさを失ってはいない。その眼鼻だちはおおまかで、※(「臣+頁」、第4水準2-92-25)など二重にくくれている。眼は過ぎるほどにも大きくて、やんちゃらしいおどけた表情が、絶えずチラチラと動いている。――これが鈴江の姿であった。吹き針に得意なところから、不断に稽古をするからでもあろう、唇がボッと膨らんでいたが、しかし卑しくは見えなかった。