Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

むすめえんじゅつし

娘煙術師

国枝 史郎

Lisez 娘煙術師 (むすめえんじゅつし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 267 766 caractères · 530 écrans

Aozora Bunko

「おッ」と叫ぶと柄を下げて、鍔を眼もとまで引きつけたが、さながら太刀を御幣かのように、左右へピューッと振り立てた。で、刀身が綯われるように、頭上で入れ違って綾を織って、そこに怪しい気味の悪い光り物が踊っているように見えた。がもし誰かが眼をそばめて、仔細に観察を下したならば、細い細い一本の銀の線が、兵馬の左の眼を狙って、流れ込んで行くのを見たことであろう。

が、その次に起こったことといえば、兵馬が抜き身をひっさげたままで、小門をくぐって一散に逃げて、その姿が庭から消えてしまった時に、牡丹桜の老木の幹の蔭から、五十本の針を吹き終えた鈴江が小走って来たことであった。

「うむ鈴江か、役に立てたな」

「はい、お兄様、どうやらこうやら」

紋也と鈴江とが向かい合ったときに、酔いを醒ました泉嘉門が、しっかりとした足どりで歩み寄った。

「あのお方なのでございますよ、左内様とお菊の仲を裂こうと、このごろしげしげとお越しになって、この私めを嚇しますのは」思案にあまったというように、こういうと嘉門は腕を組んだが、首をめぐらすと庭の奥を見た。その眼界に立っているのは、恐怖に怯えて眼をみはって、顫えているお菊の姿であった。